<< 2008年08月
123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

インド・ニューデリー富裕層の一般的住居

2008/08/02 17:46

 

 

今から27年前、初めて住んだニューデリーの借家は、ビジネス中心街から車で約20分の所に在る‘マハラニ・バーグ’と言う閑静な高級住宅街で、日本人駐在員家族が結構住んでいた。借家のオーナーは当時の外務大臣、彼ら家族は家賃月額50ルピーで広大な敷地の大臣官邸に住んでいた。大臣官邸に住める間は、高額を払ってくれる外人に家を貸し、高収入を得るやり方で、このようなやり方はニューデリーでは一般的である。離職後、一族郎党自分の家に戻り、そこで悠々自適の生活を送る。日本人は、高額家賃を支払い、家を傷ませず綺麗に使い、色々な要求に‘従順’に従うので重要な貸し先=お客である。時にオーナーの電気代も負担してくれる。配電盤を調整しさえすれば良い。

 

一般的に高級住宅街は、一軒当たりの敷地は広く、1,000㎡程度の家が多い。4方は塀と鉄柵で厳重に防備され、外からは容易には侵入できない。建物は2~3階建て、そのワン・フロアーを貸すのが普通で、オーナーかオーナーの親類がその他の階に住んでいる。ワン・フロアーは150200㎡と、日本のマンションに比べれば、かなり広い。最終的には一族3世代が暮らす家族が多い。

 

小生一家が5年間過ごした借家の構造は、典型的な住居なので紹介する。2階建ての1階を庭付けで借りた。2階にはオーナーの知人が住んでいた。20畳位の応接室1室、12畳位の寝室3室(各室バス・トイレ付)、多目的用の8畳位のトイレ付の部屋1室、6畳位の食堂、1.5畳位の‘お祈り部屋’、そして、台所が2室、ベジタリアンとノンベジタリアン用に分かれている。当然廊下も広い。庭も広い。母屋と離れて車庫があり、その上に使用人部屋(サーバント・コーター)が2室ある。これ位が富裕層の一般的な、むしろ質素で小さい間取りである。台所が2つあるのは珍しいが、オーナーが政治家ゆえ、様々な来客が多かった為だろう。寝室が全てバス・トイレ付と言うことは、宿泊客が多い為である。遠来よりの客はホテルに泊まらず、知人の家に泊まるのもインドの一般的な慣習である。長居をする親族等の客も多い。インドでホテルが流行らなかった主因でもある。‘お祈り’も欠かせぬ日常行事、‘お祈り部屋’を持つ家も多い。使用人も、準家族の一員として扱い、使用人部屋をあてがわれる。常時、近くに待機させて置く必要のあるアヤかクックが部屋の主となり、アヤやクックの家族も住み着いてしまう。彼らは普通、子沢山の大所帯である。我が家のコーター使用権はアヤが握り、アヤの主人と子供、娘夫婦とその子供など、かなりの人数が住み着いていた。

 

当時の家賃は4,5005,000ルピー1ルピーが約20円程度であったので、10万円弱、今借りたら15ルピー程度で約38万円、かなり値上がりしている。

 

使用人は、アヤ(子守)、クック(料理人)、ドビー(洗濯人)、スイーパー(床掃除人)、マリー(庭師)、運転手とチョキダール(門番)は会社が手配してくれた。一家の数より、使用人とその家族の数の方が多い。

 

5年前から3年間、ニューデリーの違うバサント・ビハールと言う場所に住んだ。27年前頃に、ボツボツと住宅が建ち始めた地域である。今は代表的なニューデリーの高級住宅街の一つになっている。借りた家の構造も、近所の住民の生活様式や風習・文化も、使用人に対する態度も、使用人雇用システムも殆ど変わっていない。変わったのは家賃だけであった。‘お祈り部屋’は、無かったが、他のフロアーにあるのだろう。

 

急成長を遂げているインド、都市の姿は近代的になりつつある。ビジネス街のオフィス・ビルも徐々に高層化され、郊外には高層マンションも出現している。ただ、其れを活用しているのは一部のビジネスマン、一部裕福層、そして外国人駐在家族が殆どである。大勢を占める一般階層は、旧態依然、殆ど昔と変わらない生活を送っている。

 

マハラニ・バーグの昔の我が家を見に行った。以前住んでいた頃は、歩いて12分圏内に日本人が住んでいる‘日本人部落’であった。住宅街は活気があった。昼間の人通りは多く、公園にはいつもアヤと子供たちの姿があった。今は全く閑散とした‘シルバータウン’に変わってしまっていた。日本人も殆ど住んでいない。家のオーナーが年を取り、現役を引退し、自宅に移り住んでいるのだろう。四半世紀、時の流れを感じさせる光景であった。家のオーナーが息子世代に変われば、また、街の姿も変って行くのだろう。ゆっくりと徐々に徐々に変わる世界、これもインドの一面である。

カテゴリ: 世界から  > 世界の話題    フォルダ: 指定なし

コメント(2)  |  トラックバック(1)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://dankaisedai.iza.ne.jp/blog/trackback/666095

コメント(2)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2008/08/03 02:46

Commented by nnanami2 さん

↑で、ニューデリーの富裕層の貸家でのチョロマカシ方は、配電盤をいじれば良い・・・とあった。これ、これ、小生の家でも入居して直ぐ騙された手口は。使用電気機器から推定される電力量と余りに違うので、メーターを見せて貰ったら、数字が違っていた。それからは普通になったが。悪いオーナーも多いので、当初はインド系オーナーの指示かと思っていたが、そうじゃなくて、『いつもニコニコ笑顔で応対』の事務員のチョロマカシだったわけだ。その女は、それからも段々とエスカレートして、合鍵で入って、最初は金のブレスレットの空き巣(盗み)、最後は、金のネックレスと現金をごっそり盗んだわけです。・・・・今回、墓穴を掘った理由は・・・

 
 

2008/08/03 12:30

Commented by はぐれ雲 さん

インド生活、使用人の良し悪しは「快」「不快」を決める大きな要素でもある。よく物がなくなる。最初の頃は盗人も「気づかれないように」と思っているのか、少しづつなくなって行く。騒がないと段々大胆になる。騒ぐと一時的に止まる。気心が知れて来ると段々なくなる物が少なくなる。日用品や文房具など複数ある物が一つ二つと消えて行く。困るのは、靴下の片方が紛失したり、アルコール類が徐々に減る事である。紛失事件は「インド生活のつき物」色々な笑い話がある。帰国が決まると、また、なくなる物が増える。「持ち帰らない物は皆にあげるから」と言うと、なくならなくなる。

インド人は盗むことを「悪い事」とは思っているようだが、罪悪感が余り無い。むしろ盗まれるほうが悪い、阿呆だ、と思っている。「油断するな」「大事なものは自己責任で管理せよ」と言う事だろう。そういう環境に慣れれば、そう不快でもなくなる。欲しがられる物は、余分に持っていたら、あげればよい。

質の悪い使用人を余り怒るとキレて、仲間の「こそ泥」とぐるになり、明らかな泥棒に変身する事もある。盗まれた物は二度と戻ってこない。「泥棒市」に並ぶ事もある。
「慈悲の世界」の「裏側の世界」、些細なことは笑い飛ばすしかない。面白いですよ。大体、日本人は無防備すぎる。

 
 
トラックバック(1)

2008/08/03 02:26

人を見たら盗人と思いタイ。親しいマンションの職員が空巣。嘘の被害届け出すぞと脅し金せびるゲス警備員 [http://www.x-mas-society.com]

 

タイなどの東南アジア、長く住めば住むほど上から下まで性質の悪い人間達が物凄くいるように見えて来るから面白い(?)。賄賂の日常的常態化、騙し、恐喝。その他ありとあらゆるセコイ、しかし非常に不愉快な、ゲス…