アフガン国民は激怒している。米軍2名の愚かな「コーラン焼却」事件、「怒り」の波はアフガン各地に広がりつつある。抗議デモ発生以来、アメリカは「怒り」を収束させる事に懸命になっており、珍しく直ぐ「謝罪」した。謝罪だけでは、アフガン国民の「怒り」は収まるまい。アフガン国民の日頃の不満は過渡に鬱積している。鬱積した感情のはけ口は、デモによる‘集団行動’、‘集団暴動’…。アメリカの撤退戦略に何らかの影響が出る事は必至である。「軽率な事件」が「大きな転機」の契機となるかも知れない。
愚かな事件…。事実は調査中(‘調査する’と説明して有耶無耶にしてしまうがアメリカの常套手段だが…)と米軍司令官は説明しているが、報道によれば「上司より刑務所内にある図書館の書物を除去・排除する指令が出され、米軍担当者が焼却処分しようとした」のが事の発端のようだ。問題は、その書物の中にコーランや宗教関係書類が含まれていた事だ。米軍担当者は‘何も考えず’焼却処分しようとしたらしい。‘何も考えず’と言うのが根本的な誤りである。
アフガン人職員が気付き、慌てて止めさせ、火を消し、半ば焼かれてしまったコーランの残骸を刑務所外に持ち出し、騒ぎ出した。昔は口コミ、今は携帯、この情報は「あっという間に」アフガン全土に伝わった。激怒したアフガン人、「アメリカに死を」と激しい抗議デモを展開している。米軍関連施設への投石=暴動も起きている。抗議デモはアフガン全土に広がる勢いで、米軍は厳戒態勢をとっているようだ。抗議デモが荒れても、米軍は発砲できない。発砲すれば、今までの‘アフガン・テロ戦争’が「無に帰する」ことになる。
慌てたアフガン駐在の国際治安支援部隊司令官、そして米国防長官も、‘即刻’対応、「非常に不幸な事件」としてアフガンに謝罪した。いつもながらの表現であるが、米軍担当者の処罰は出来ない。「書類の焼却」で処罰する訳にも行くまい。
「コーラン焼却事件」「イスラム教侮辱事件」は、この10年だけでも何回も起きている。その度に、激しい抗議デモが世界各地で起きてきた。イスラム教やコーランを侮辱した場合、どのような事が起きたか、米欧は何を学んできたのだろうか? 特に、イスラム圏で地上戦をする場合、イスラム教徒の心を掴む事、イスラム教徒を敵に回さない事は「基本中の基本」だろう。
去年の4月にもアメリカで、狂ったキリスト教牧師がコーランを焼却し話題になった。アメリカ人は牧師の行動を「冷ややかに」且つ「批判的」に見ていたようだが、本音はイスラム教を「厄介で物騒な宗教」と思っているに違いない。コーランを焼却する事が、どれほどイスラム教への「侮辱」になるのか、何故イスラム教徒が激怒するのか、良く理解できず、むしろ「軽視」していたに違いない。米軍担当者のコーラン焼却は「軽視」の証だろう。
アフガン国内で起きた今回の事件、米軍担当者による侮辱行為、正に「火に油」である。米軍による誤爆で、アフガン民間人の犠牲者は増え続けている。アフガン国民の反米感情は根強い。汚職まみれのカルザイ大統領…アメリカ傀儡政権…に対する国民の反感も根強い。アフガンには、「タリバンを受け入れる地盤」がある。パキスタン国民に与える影響も大きい。
今回の米軍の不祥事に乗じ、タリバンの行動は間違いなく活発化する。
もうすぐアフガンに春が来る。暖かくなればタリバンの行動も活発化する。今年は、どんな「アフガンの春」になるか…。全てアメリカ次第だが…。
P.S.
イスラム教では、傷んだコーランを処分するには、色々儀式的な作法があり、最終的には川に流すとか、土に埋めるとかあるそうだ。「処分」と言うより、「葬儀」に近いのかも…。


by iza-bear
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