国連安保理に、アサド退陣を求めるシリア(非難)決議案が提出される。「一国の主権を全く無視した一方的な案」としか言いようがない。友好国ロシアは猛反発するだろう。ロシアが「拒否権」を発動するかどうか判らないが、もしロシアが「拒否権」を発動すれば、シリアへの外国軍による軍事介入は出来なくなり、シリアの内戦=悲劇は益々激化、泥沼状態になる。
別にアサドを擁護している訳ではないが、少々「米欧のやり方」が汚いと言う感じが拭えない。
シリアの悲劇、その根底にあるのは、「アラブの春」に酔ったシリア内外にいる一部反体制派…。彼らを躍らせたアメリカ(CIA)、イスラエル諜報機関、サウジアラビア、カタール、レバノン、トルコ…、「反体制派擁護者」であり、「資金源」であり、最近は「武器供給源」であると言われている。
特に、カタール政府の圧力に屈したアルジャジーラと、米欧に都合の良い報道を流すロイターやCNN、初めからアサドを悪者と決めつけ、反体制派を擁護する報道しかしない。最近は、反体制派から提供された映像を‘信憑性は定かではないが’と注釈するようになったが…。報道姿勢は中立性を失い、完全に反体制派擁護である。
アサドにも誤算があった。最大の誤算は、インターネットのパワーを読み切れなかった事だろう。父親は反対派鎮圧に約2万人殺害したと言われている。反政府派の武力鎮圧を決断し実行してしまった。カダフィの末路を見ている。‘疑わしきは殺せ’の心境だろう。数千人も殺せば、もう元には戻れない。自分が決断した方向に進むしかない。
内戦化したシリア、アサドが失墜する道は3つ、①軍の大量離反、②米欧の軍事介入、③クルド人の蜂起。離反兵の増加=反体制派強化、内戦状態を激化させる。国連決議が不発に終わり、米欧が軍事介入出来ないなら、反体制側への武器供与を増やすだろう(裏の武器商売)。ロシアは堂々とシリアに武器を売り込んでいる。武器が増えれば犠牲者も増える。同国民同士の殺し合いである。
最近、④アルカイダが反体制テロ行動を始めると言う噂が流れている。⑤イランも、⑥トルコも、⑦レバノンも、⑧ヨルダンも、裏で動き始いている。反体制派と言っても一枚岩ではない。テロが増えれば、アサドが主張する「治安維持の為の行動」が正当化される。
シリアの混乱、「仕組まれた春」である事は間違いない。結果は「想定外の悲劇」に向かっている。国連安保理、どのような結論になるかは判らぬが、ロシアも中国も、「仕組まれた春」の「影」を把握しているだろう。「影」を露骨に批判する事はしないだろうが、それ故に、そう単純にアサドを非難する訳にも行かない。
他方、ロシアも中国も、‘人道問題’で受けを狙うマスコミを敵に回す事も避けたいだろう。まずは、「話し合いによる政治的解決を探るべき」と言う主張が「逃げの常套手段」だが…。
時間がかかればかかるほど、犠牲者が増える。反体制派…、アサドにとって、男も女も子供も聖職者も、何の区別も無い…。悲劇…、アサドが‘シリア人の手’で殺されるまで続くのだろうか…。
悲劇の主犯は、「シリアの春」を仕組んだ「仕掛け人」だろう。「仕掛け人」の想像以上に、悲惨な状況になってしまったようだが、「仕掛け人」の罪は、アサドと同等に重いと思う。


by はぐれ雲
「怒りのアフガン」…米軍コー…