ソマリアで誘拐されたアメリカ人女性とデンマーク人の2名が、米海軍特殊部隊SEALSを中心とした特殊チームに救出された。チーム構成員全員無傷、ソマリア誘拐グループ9人は全員射殺された。特殊部隊は、米陸軍のナイト・コントローラーと米空軍のエア・コントローラー、陸海空のプロを集めた特殊部隊、正に‘スパイ大作戦’か‘007’を連想させる救出作戦である。
オバマ大統領、ウサマ・ビンラディン暗殺に続くアメリカ特殊部隊の偉業と讃え、国民(大統領選挙戦参加観衆)から喝采を浴びている。
アメリカ人にとってはソマリア・トラウマがある。1993年に起きたソマリア民兵との衝突…、米兵16名が死亡し、裸にされた米兵が住民に引きずり回された。その映像が公開され、アメリカ人に衝撃を与えた。それ以降、ソマリアは触れたくもない恨みの国でもあった。今回のSEALSによる人質救出は、アメリカ人にとってはトラウマを追い払う偉業だろう。オバマの演出と思うが…。
誘拐グループ、‘アルカイダ’でも‘海賊’でもないらしい。誘拐ビジネスの‘元締め’はいるのだろう。誘拐ビジネスの成功者がソマリアン・ドリームになっている国、2010年の身代金収入は、約2億5,000万ドルと言われている。ソマリア経済への寄与度も高いらしい。無法国家ソマリア、‘法’など関係ない。‘法’に関する知識もないだろう。
オバマはSEALSの偉業を賛美したが、ソマリア側は激怒している。現在拘束されている「アメリカ国籍以外の数百人の人質の生命の危機」が高まっている。身代金による解放交渉も難しくなるだろう。身代金の金額にも影響を与える。
アメリカ人以外の人質が沢山いる事をオバマは考えなかったのだろうか? 「持病もちのアメリカ人女性(32歳)が危険な状態になったので、人道的立場から救出作戦決行を許可した」とオバマは言うが、年頭教書演説日程を計算に入れた救出作戦、余りに見え見えのシナリオである。
何故、ソマリアが海賊・誘拐ビジネスに走ったのか、それにはそれなりの歴史的経緯がある。ソマリアの主産業であった沿岸零細漁業を潰した先進国と中国が、漁民を海賊に変身させたと言われるが、今は、海賊収入が身に着いてしまっている。海賊グループの犯罪意識は薄いだろう。‘ソマリア政府’も海賊の仲間だろう。常識が通じない社会である。
ソマリアだけではない。文化・知識水準の異なる国は多い。アフリカには‘原始宗教’国家もある。これを無視して先進国の論理を押し付ければ、反感を買うのは必至である。民主化? それ以前に物理的貧困からの解放が最重要課題だろう。
兎も角、アメリカはアメリカ人1名の命を救ったが、残され人質数百名の命、アメリカは責任を持てるのだろうか? ソマリア人にもプライドがある。9名殺された。誘拐者グループだろうが、誘拐者も一般民間人である。


by はぐれ雲
「怒りのアフガン」…米軍コー…