全く「机上の空論」だが…
イランが経済制裁に対抗し、逆に経済制裁に同意した国に対し‘即刻’イラン原油輸出禁止を実施したらどうなるか?
アメリカの‘異常’なまでの対イラン強硬姿勢…、その裏には、秋の大統領選挙がある事は疑う余地も無い。「超大国アメリカ健在」を国民にアピールする格好の材料にイランが使われている。最重要事は選挙に勝つ事、政治家の宿命である。
イランの核開発は、「今年中」に「核兵器に転用可能な段階」に到達すると言われている。「イスラエル諜報機関」は9ヵ月以内に到達すると分析しており、イスラエルは「単独でイランを攻撃する可能性」を示唆している。アメリカはイスラエルの単独行動を抑えるのに一生懸命だが、イスラエルがイランを攻撃した際は、イスラエルを擁護する姿勢を表明している。その場合、イスラエルに対する国際的批判、特にイスラム諸国の批判は否応なく高まる。イスラエルを擁護するアメリカに対する批判も高まる。批判をかわす為、今から国際世論を味方につけて置く必要がある。徹底的にイランを「悪者」にしなければならない。イランは平和目的と主張しているが、誰も信じようとしない。アメリカ主導で意図的にそうしているのだろう。
今年はアメリカ大統領選挙、「超大国アメリカ」を国民に‘印象的’に示す必要がある。イラク戦争とアフガン戦争、多くのアメリカ国民は「勝利した」とは思っていないだろう。両戦争からアメリカ国民の目を逸らせ、イランに向けさせる方が国民の意気が揚がる。核開発、‘イスラム教’国家、アフマディネジャド、国民にアピールするには格好の材料である。
経済制裁=イラン原油禁輸、オバマは世界に「アメリカに協力するか否か」の「踏絵」を強制している。EUとオーストラリアはアメリカ追従を選択した。日本・韓国は不承不承、「協力する姿勢」を示した。中国は‘ジェスチャー’では協力する姿勢を示しているが、素直には従わないだろう。インドは安ければ買う。インドは「イランの核保有」には反対の意を表明しているが、イランに対する内政干渉には反対である。
今回のイラン経済制裁、イランに対する経済制裁のように見えるが、「イランから原油を輸入している国に対する経済制裁」でもある。イラン中央銀行との取引停止と違反国に対する制裁処置、現輸入国にとっては痛手である。アメリカが未だに金融の世界では超大国であると言う事を誇示し、国民に知らしめる大統領選挙運動の一環でもあるだろう。
イランを虐め過ぎて、イランが「窮鼠猫を噛む」状態になったらどうなるか?‘ホルムズ海峡封鎖’は自分の首を絞める事になる。だが、戦争となれば自動的に危険水域となる。
他方、経済制裁の効果が余り無く、時間だけが経過する結果となったらどうなるか?「その間にも核開発は着々と進む」と言う強い危機感を抱くイスラエルが、単独で核設備を攻撃するかも知れない。当然、中東は火の海になり、アメリカは窮地に立たされる。今のアメリカは戦争どころではない。軍事費削減に迫られている。
もし、逆にイランが先手を打ち、対イラン経済制裁を課すと決定したEU諸国や日本・韓国向けにイラン原油の輸出を停止し、「即刻実地」したらどうなるか? 短期間の現象だろうが‘オイルショック’状態となる。
数か月間、原油市場は大混乱となる。原油価格は高騰する。大不況時・デフレ経済の中での原油価格高騰は、経済のみならず、政治に大きな影響を与える。大混乱を招いた責任はオバマが負う事になる。特に、欧米一般国民の大きな不満を買うことになるだろう。「窮鼠猫を噛む」戦術であり、どうなるかの想定は難しい。「想定外の戦術」に米欧政治家は面食らう事になる。
水面下で種々交渉されているだろうが、「八方ふさがり」に追い込んでしまえば、何が起こっても不思議ではない。イランに協力的なベネズエラも対欧米輸出を制限するかも知れない。原油価高騰は、産油国にとっては大歓迎である。
アメリカが未だに超大国である事の証明=「踏絵」の世界、服従する国と非服従の国が明らかになる。だが、イランと戦争状態になれば、逆に「超大国アメリカの威厳」は失墜するだろう。
イスラエルがアメリカの替わりにイランを攻撃すれば、アラブ諸国は反イスラエルに動く。「反イスラエル」でアラブ諸国民は統一する地合いにある。「アラブの春」=民主化の結果である。
イスラム同胞団がどう動くか…。イスラム同胞団(イスラム原理主義)は、エジプトでもリビアでも最大勢力の与党になる。
机上の空論だが、‘イスラム宗教国家’イラン、宗教観に基づいた国の基本方針は簡単には変わらない。変更には長い時間がかかる。基本は宗教であり哲学である。基本方針変更=現政権崩壊の図式である。アメリカはそれを狙っているのだろうが、イラン現政権も必死である。


by はぐれ雲
「怒りのアフガン」…米軍コー…