EUがイラン原油禁輸を決定した。‘対イラン宣戦布告’と同質である。
イランは以前より「制裁強化の終局的対抗策」として「ホルムズ海峡封鎖」を示唆していた。昨日、アメリカ空母‘エイブラハム・リンカーン’、イランの警告を無視してホルムズ海峡を通りペルシャ湾に入った。対イラン臨戦態勢を整えた事になる。「挑発合戦」も、いよいよ最終局面を迎えた。「これからが長い」のが過去の歴史なのだが、さて、どうなるか…。
‘ホルムズ海峡封鎖’はイラン問題の本質ではない。米欧はイランの‘核開発疑惑’を問題の本質と訴えている。だが、本質はイスラエル核保有疑惑にある。その本質は米欧の中東戦略にある。世界の識者はその事実を知っているだろう。
知らない振りをしているのは米欧のマスコミぐらいだ。マスコミは米欧政府の言いなりになり、イランを‘悪者’に仕立て上げる役割を果たしている。特にCNNなどは最悪である。どのマスコミも「イスラエルの核」に関しては触れようとしない。イスラエルの非人道的な殺戮行為を取り上げようとしない。この時期に、イスラエルがパレスチナ地域に新たな入植工事を始めた事など、ニュースに取り上げようともしない。
イランは「中東の核兵器廃絶」を訴えている。米欧は‘一笑’に付し、真面目に取り上げようとしない。アラブ諸国も‘中東の核兵器廃絶’に賛同しているが、どの国も米欧を気にして動かない。「核の平和利用に関する平等な権利」に関するイランの主張に賛同する国も多い。だが、核を独占する国(常任理事国)の反対があり、議論すらされていない。
もし、NPT非加盟国のイスラエルがIAEAの査察を受け入れ、核兵器を廃棄すれば、中東の状況は一変する。イランの主張だが、現状は非現実的である。
米欧の‘イランいじめ’に対し、反感を抱いている国が増えている。ロシアと中国は別格だが、ベネズエラ・エクアドル等の反米中南米諸国、国力を付けてきたブラジルやトルコ、民主化し民意を聞くようになったアラブ諸国、皆、 ‘主張力’を強めている。
ホルムズ海峡は封鎖されず、原油価格の高騰を狙っているだけだ、と言う能天気・脳天気な専門家も多い。過去を分析して言っているのだろう。イランをいくら制裁しても抜け道は幾らでもあり、制裁にならない、制裁の恩恵は米英が享受していると言う専門家もいる。自称専門家だが…。
過去は過去、時と共に世界の政治・パワーバランスが変わって来ている。
アフガンで起きた「不幸な事件」、米兵がタリバン兵の遺体に放尿している映像が世界に流れた。フランス兵を銃殺し現行犯逮捕されたアフガン国軍兵は、放尿の映像を見て憤慨し、銃撃行動に及んだと説明した。フランスはアフガン国軍兵に紛れ込んだタリバンの仕業との見解を表明。タリバンはタリバン兵の犯行との声明を出した。アフガン国民は犯人を英雄扱いするだろう。当然の国民感情である。この事件は単なるテロ事件ではない。目的が違う。逮捕され自己主張する事を想定しての犯行である。感情論だが…。
イラン人、‘制裁強化’で愛国心は否応なく高まる。アフマディネジャドの主張は、‘当然且つ理論的にも正論’として受け入れられ、イラン国内の親米派=反政府勢力も、「正論は正論」として受け入れるだろう。緊迫する最中、アフマディネジャドは中南米の友好国=反米国を訪問した。裏には原油を含む反米国の共同戦略があるはずだ。チャベスが何をするか…。
イラン制裁の米欧の真の狙い、将来の歴史家の興味ある課題になる。‘誰が’‘何の為’に‘仕組み’、‘誰が得をしたのか?’
‘ハプニング’が‘火’を付けるのが歴史の常、アフガンでは放尿が愛国心に火を付けた。イランに火が付けば中東に火が付く。それを望んでいるのはイスラエルだろう。アメリカはイスラエルに操られている。その‘黒幕’はアメリカかイギリスにいて、のんびり様々なゲームを観ているのだろう。
将棋の世界に似ている。奪った駒を使ったり、歩を成らせて金にしたり、玉を守る態勢も重要な要素…。将棋との違いは、対戦相手のアメリカが将棋盤にいないと言う事だ。アメリカを攻めるには、テロしかない。イランはテロ戦術を採らないだろうが、イランとは無関係の反米テロ組織が何をするか判らない。アメリカはイランの犯行とするだろう。火が付けば、テロが増える。
イランの声を一切聞けない生理的体質、これがアメリカの歴史的欠陥になるかも知れない。アメリカの歴史の賜物だろうが…。


by はぐれ雲
「怒りのアフガン」…米軍コー…