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インド人差別問題④・豪政府態度豹変・・・予想外のパワー・・・

2010/02/10 22:15

 

オーストラリアで頻繁に発生しているインド人留学生襲撃事件(インド人差別問題)に関し、「証拠が無いので何ともいえぬ」と言い張ってきたオーストラリア政府、急に態度を変えた。「態度を変えざるを得なかった」と言うのが真相だろう。其の‘きっかけ’となったのは、シブセナの「怒りの声明」の様だ。

 

知る人ぞ知る「無く子も黙る恐怖の軍団シブセナ」、ムンバイを州都とするマハラシュトラ州を基盤とする過激なヒンズー至上主義政党、「大日本愛国党」に似た政党である。違いは、「規模」と頻繁に「実力行使」する点である。気に食わぬ事が起これば、党員を召集し、‘虎旗’をたなびかせた街宣車で敵地に乗り込み大騒ぎをする。時に数百人のデモ隊を派遣しターゲットを襲撃させる。投石による襲撃が多い。暴行沙汰も頻繁に起こしている。狙われたターゲットは‘泣き寝入り’するしかない。警察も恐れて、襲撃終了後しか現場に来ない。逮捕者は殆ど皆無。街宣車によるアジテーションも凄まじい。シブセナが「ゼネスト」の号令を出すと、ムンバイは完全に麻痺する。夥しい数の党員が線路を歩き列車を止めてしまう。店は、投石を恐れ閉じざるを得ない。もし店を開けば、党員が飛んで来て、暴力沙汰になる。タクシーも運休となる。もし走れば車は‘ぼこぼこ’にされる。其の日は静かにしているしかない。「自爆テロ軍団」も秘密裏に組織していると噂されている。平常は静かに政治活動をやっている政党、実際にシブセナと交渉した者しか、その‘怖さ’は判らないだろう。半年ほど関わったが、今では貴重な思い出、極限に近い緊張を経験した。そのシブセナが機関紙の社説で「怒り」の表明=‘妙案’を打ち出した。その妙案とは…

 

何と、インド・プレミア・リーグ」(IPL)からオーストラリア人選手を追放する案である。「ムンバイでは絶対にプレーさせない」と‘宣言’した。シブセナの通常の実力行使のやり方から想像すれば、もしオーストラリア選手を起用し試合を強行した場合、オーナーに対する過激な抗議行動、オーストラリア選手に対する暴力行為、試合現場での過激なデモンストレーション、当然試合は中止に追い込まれるだろう。

 

IPLは、2008年よりスタートしたプロ・クリケット・リーグインド8都市を本拠地とする8チーム編成、民間大企業がスポンサーとなり、世界中から有力選手をスカウトしチームを構成している。当然、クリケットの盛んなオーストラリア、南ア、パキスタン、スリランカなどからスカウトされた有名選手も多く、オーストラリアからは20人ほどの選手がIPLに所属している中には1億円プレーヤーもいる。インド国内のプロ・スポーツ選手としては破格である。日本のプロ野球やJ-リーグのようなものだが、大きな違いは、世界で唯一のプロ・クリケット・リーグでファンは世界中におり、特に旧英連邦諸国に多い。IPLは世界中、特に旧英連邦諸国にテレビ放映されており、ファンの数は10億人を優に超す。

 

もし、シブセナが暴れたらどうなるか? 理由は「オーストラリアのインド人差別」「人種差別」に対する抗議と説明される。オーストラリアの「人種差別行為」が、インド中に広まるばかりか、世界中に広まる事になる。一挙にオーストラリアは「人種差別国家」としてレッテルを貼られる事になる。幾らオーストラリアが「言い訳」しても、一度張られたレッテルを剥がすのは大変な作業となる。オーストラリアのイメージダウンになる事は間違いない。

 

事の重要性に気がついたのか、慌ててオーストラリア政府は動き出した。オーストラリア外務大臣は「オーストラリアで‘卑劣’で許しがたい事件が起きてしまった。インド人襲撃の一部に人種差別主義者の犯行があったオーストラリア政府は‘法’と‘正義’の基、厳重に取り締まり加害者を処罰する。ビクトリア州だけで、既に45人逮捕した」「被害者に対する‘見て見ぬ振り’‘怠慢と無視’の時代は終わった。徹底して取り締まる」「オーストラリア政府はインドの友好関係強化に努力する」と議会で演説した。今までの「対処の拙さ」「対応の拙さ」を認める内容である。

 

オーストラリアインド留学生協会は、「今のところ被害者はインド人留学生に留まっている。人種差別論争は広まってきているが、オーストラリアクリケット選手にまで悪い影響を与えてしまった。このような状態は問題を益々こじらせてしまう。インド人留学生の立場を益々危うくさせてしまう」「インド人留学生協会とオーストラリアクリケット選手と結束して円満な解決に努力しよう」「シブセナには、(インド人留学生の安全確を保の為にも)オーストラリアクリケット選手に対する脅迫を止めるように要請するつもり」と意思表明した。

 

ーストラリア政府、まさか「旧英連邦諸国で最も影響力のあるクリケット」に波及するとは思わなかっただろう。盲点を突かれたようだ。「クリケット」を介しての「広報戦術」、初期対応とその広報」を間違えると大変な事になる。トヨタも然り…。

 

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