10万ルピー車‘ナノ’(約19万円)を出し世界を驚かせたタタ・グループ、今年の5月には39万ルピー(約75万円)の住宅(ワンベッドルーム・ホール・キッチン、約43.2㎡)を1,000戸売り出し、2日で完売した。今後も住宅事業をインド全土で拡大していく方針である。次は、どんな激安商品を出すか注目されていた。
激安商品第3弾は、家庭用「浄水器」であった。2タイプあり、749ルピー(約1,430円)と999ルピー(約1,910円)、名前は「スワツチ」、ヒンズー語で‘きれい’と言う意味である。フィルター浄水で交換用フィルターは299ルピー(約570円)と少々高い。フィルターで利益を上げる心算なのだろう。「1個のフィルターで3,000リットルの水が浄水できる」、フィルターには‘もみ殻’と‘銀の小粒子’を使っており、「バクテリアの80%を殺菌できる」としている。
インドの飲料水事情は悲惨である。水道普及率は40%程度だが、水道管が古く、時にさび付いており、破裂事故も多い。とても安心して飲める代物ではない。特に殆どの農村には水道が普及していない。飲料水は井戸水だろうが、衛生状態は極めて悪い。電化されていない村が多い。
農村部の人口は約7~8億人、一家6人平均として1億2~3千万世帯である。‘きれいな水’商売も出現するだろうが、やがては一世帯に一器の時代が来るだろう。当然、水道が不住している都市部の世帯も使うだろう。インドの世帯数は2億1,600万世帯、1世帯一器の市場と見れば、ビッグ・ビジネスとなる。
しかし、‘もみ殻’と‘銀の小粒子’だけで、本当に‘きれい’になるだろうか?80%の殺菌力では日本人なら使わないだろう。「何時、フィルターが駄目になるのか?」「フィルターの寿命をどう見分けるのか?」 色々問題が出てくるだろうが、‘きれい’な水を飲みたい者にとっては画期的商品だろう。しかも2,000円以下であれば手軽に買える。売れ筋の携帯電話が3,000円位なので、携帯電話よりも安い。
インド人社会、貧困故に買えなかった生活必需品が山ほどある。日本の技術を利用すれば、かなりの‘激安商品’が出来るのではないだろうか? これはCSR事業でもある。大がかりな海水淡水化事業や水質改善事業も重要だが、小さな商品をもって、12億人の大市場を狙うのも面白い。技術をインド企業に提供し、インド企業に市場開拓させるのも面白い。
タタが浄水器の次の‘第4弾’を何にするか楽しみでもあるが、そろそろ日本企業がこの分野に進出しても良い頃だろう。‘激安商品’で1個当たりの利益は薄いだろうが、規模のメリットがある。売り方は幾らでもあるだろう。


by Tom
ガソリン1ガロン3.5ドル…高い…