今回の総選挙で‘大躍進’を遂げると思われていた不可触民を支持基盤とするBSP(大衆社会党)、「20議席を40議席まで伸ばすのでは…」「BSPを含む地方政党が第三勢力を形成し、国民会議派・インド人民党と三つ巴の不安定政治体制となるのでは…」と危惧する報道もあった。結果は、BSPにとり惨憺たるものであった。1議席増の21議席に終わった。他の殆どの地方政党は、議席数を減らした。「第三勢力」結成どころではない。政党組織維持に懸命になっている。
元来、BSPにはイデオロギーはない。今回の選挙で掲げた目標は「ソーシャル・エンジニアリング政策」低カースト層優遇政策である。だが、今回の総選挙では、先の州議会選挙で確保した30%の支持率を大幅に下げた。女傑マヤワティ党首の「傲慢な独走」と「権威欲」に困惑し疑問視する有権者が増えた結果だろう。具体的に貧困政策を実施している連立与党の方が遥かに判りやすいし、しかも安定している。貧困有権者は無難な人選をしたようだ。
総選挙の最終結果が出た19日、BSPは党大会を開催し、BSPは国民会議派が率いる連立与党政権を無条件で全面的に支持する事を決定した。これで連立与党にBSPを加えた議席数は過半数を超え、国民会議派支持を仄めかしている左派共産党を組み込まずに「安定した連立政権体制」が確立された事になる。言い換えれば、2014年次期総選挙までの5年間は、「インドの政情は安泰」と言える。
政治の安定性=政治リスク=カントリー・リスクの減少は、インド経済界を安堵させている。インド経済界ばかりではない。世界の機関投資家も安堵したようだ。SENSEX指数は大幅に上昇、今日現在でも14,000ポイント台で推移している。
他方、外資規制緩和も加速されるだろう。
現在、外資はリテール・小売業に参入できない。外資は種々工夫を凝らし、将来の規制緩和を睨んだインド戦略を推し進めている。5月25日にはウォルマートとインド・バルティ社との合弁企業が、「小売」ではなく、「卸売り」1号店をパンジャブ州にオープンする。世界のリテール業者が狙っているインド市場、リテールに関する外資規制が緩和されれば、世界の大手が瞬時に参入できるような準備は整っているようだ。投資家の動きは早い。


by はぐれ雲
米露「兵器ビジネス活発化」・…